プロジェクトF〜音楽,図工,家庭科,体育における主体的・対話的で深い学び〜

2022.11.05 イベント

Q 問題解決的な学習にするために,どのような工夫をしていますか?

音楽でも,『対話的な学び』が授業改善の鍵になると考えています。音楽科の授業においては,「自分はこのように歌いたい」「自分はこのように演奏したい」ということを音楽や言葉で相手に伝えながら交流し,自分たちの演奏を創り上げていく過程を重要視することで,問題解決的な学習になると考えています。

 

図工では,一人一人が課題を見付けて向かっていく意欲をもてるような題材設定や魅力的な造形素材を提案したり,提供したりすることが第一です。そのために,仲間と関わり合いながら課題を解決できるような環境に整えます。子供が自ら他者の行為や作品を見たくなるような状況が生まれるように,少し不便にしておくことがポイントです。

  

 

Q 各教科の技能をどのように習得させていますか?

音楽では,技能の習得に関しては,子供が技能の必要性を実感することが大切です。創意工夫の過程で様々に歌い方を試しながら,自分たちの思いに合う声の出し方がよく分からない・・・揺れを入れるとどのような効果があるのか・・・などと迷い選択していくという過程を往還しながら「自分にとっての価値」を見いだすことでこそ,確かな技能を身に付けることができるのです。

 

図工では,初めての道具や危険を伴うものについては,最初に使い方の指導をしますが,技法だけを教え込んだりするようなことはしません。道具も技法も,表したいことを表すために,子供自身が工夫していくことが大切な学びです。

 

家庭科は,生活をよりよくするために技能を習得します。技能を習得するたけでなく,なぜそのような技能が必要になってくるのかを考えさせることを大切にしています。

 

 

Q  教科で大切にしていることは何ですか?

 

図工においては,「上手に描いたりつくったりすることが目標ではない」ということです。自分だけのものをつくったり,自分なりに工夫したりしながら,価値や意味を見付けていくことが図工の学びだと強く意識しています。

 

家庭科においては,日常生活の中の「当たり前」「無意識」にある生活を問い直し,自分や家庭の生活を見つめ直すことを大切にしています。自分がどうありたいかという「在り方」を考えていくことが必要だと思っています。多様なライフスタイルがある中で,自分は何を優先していくのか,何を大切にしていきたいのかを判断しながら生きていくことが,これからの豊かな生活へとつながっていくと考えているからです。

 

体育においては,自分の体の特徴に合った運動の取り組み方を見つけることが大切です。「私はこっちの方がやりやすいのかもしれないな」「次はここを変えてやってみよう」という思考の過程を経ながら,辿り着いた運動の方法は,その人の体の動きに合った運動で価値のある学びだと思います。

 

 

Q 苦手な子供も得意な子供も学びのある授業にするために工夫していることは何ですか?

 

「音楽の授業」が苦手な子も得意な子も,音楽そのものはきっと好きです。まずは心が解放され,みんなが安心できる学級風土をつくることが肝要です。その上で,音楽には正解がないこと,その子のもっている声は唯一無二であることを伝えます。「大正解」よりも,みんなでつくる「納得解」を大切にしています。

 

体育の授業では,子供から出る考えは,どれもまず認めます。特に,単元の導入時には,その運動に関して,楽しさや困り感など,子供たちが感じている思いを表出させ,一人一人の考えがそれぞれ違うことを共有します。そのうえで,みんなで課題を見いだし,互いの思いに寄り添った活動ができるようにします。さらに子供が「うれしい!たのしい!大好き!」と感じるように,グルーピングや学習のルール作りの工夫をしています。

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