和菓子の今昔物語 町の変化から見る和菓子の魅力(小単元Ⅰ)

2024.08.07

 今年度は3・4年複式学級の担任をしています。そこで総合的な学習の様子をお伝えします。今年度の探究課題は、「 伝統的な食品のもつ魅力と、それを守りさらに新たなものを創ろうとする人の思い」です。そして、探究学習をする中で対象に関する情報から必要な情報を判断し、対象の新たな価値を見いだす子供の育成を目指します。

 子供は前年度までの生活科や総合的な学習の時間(以下、総合)を通して学校の周りにある「もの」や「こと」に興味・関心をもっています。そして学習の中で「人」と関わってきたことに楽しさを見いだしています。そこで今年度の総合の授業開きでは、自分たちの学びを振り返るために、これまでどのような学習をしてきたのかを問いました。すると、「2年生の生活科の授業では古町のいろんなお店に行き、たくさんの人と出会ったよ。」、「朗読劇の中で自分たちなりの表現をして様々な人と関わったよ。」という経験が出されました。そして子供は今でも「色んな人と関わってみたい!」という思いをもっており、今年度も人との関り大切にしていくことが共有されました。

 「人との関わりを大切にしていく」という学習の方向性が見えてきたところで、今年度の学習対象を設定していきました。附属新潟小学校の身近な「もの」や「こと」から興味・関心のあるものから子供は、学校の周りにあり、人との関りが期待できる上古町商店街に注目しました。そして上古町商店街について調べるために、商店街の探検に出かけました。1回目の探検では、上古町商店街にはどんなお店があるのかを中心に調べました。子供は様々なお店があることに気付くほか、自分が「気になる!」、「もっと調べてみたい!」と思うお店を見つけました。そこで2回目の探検では、「気になる!」、「調べてみたい!」と思うお店と交流し、上古町商店街には歴史のあるお店、食に関するお店がたくさんあることが分かりました。そして、上古町商店街の中でも歴史があり、自分たちも気になっている和菓子屋と再度交流をすることを決めました。

 和菓子の試食後の感想交流会の中で子供たちは金巻屋が作る和菓子を『特別感』のあるお菓子として捉え始め、そこから和菓子の「?」を広げていきました。最初は和菓子をただのお菓子として見ていた子供が、和菓子に対して問いをもち始め、金巻屋の和菓子を自分たちの学習対象として見ようとし始めたのです。学習の見通しとして、子供は自分たちが自分たちが和菓子に対してもっている「?」を一つ一つ解決していくことで金巻屋が作る和菓子の『特別感』も明らかになるだろうという仮説を立て、自分たちがこれから考えるべき課題を焦点化していきました。

 このように、小単元Ⅰでは対象と出合い、そこから自分たちが疑問に感じたことをもとに単元課題を設定しました。小単元Ⅱでは、小単元Ⅰで立てた課題について探究していきます。

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