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2020.04.27
今回も,国語科のオンライン学習支援の取組をご紹介します。
↓前回の更新「オンライン学習支援①〜音読指導〜」↓
説明文「アップとルーズで伝える」(光村図書4年上)
私は,読むこと領域(説明的な文章教材,文学的な文章教材)においては,以下のような単元モデルで指導を構想しています。
説明文「アップとルーズで伝える」においては,以下のように単元を計画しました。
発展的な活動は,終わりの感想の前に設定しました。読みの深まった子どもが発展的な活動に取り組むことで,終わりの感想において,文章への気付きがさらに広がると考えたからです。
初めの感想の交流は,以下のようなねらいで行います。
今回は,このような初めの感想の交流をオンラインで行います。
具体的には,タブレット端末に教師が発問や指示を送信し,子どもが自らの考えを記述したものを返信する,といった形になります。
以下の表は,学習の進め方について,教室の学習とオンラインの学習とを比較したものです。基本的な流れは教室での進め方を踏襲しながら,オンラインで学習を進めていきます。
まず,グーグルフォームを活用し,デジタルアンケートで子どもたちの初めの感想を集約します。
※グーグルフォームは,アンケートの結果を自動で集計・グラフ化してくれるデジタルツールです。
教室では,教師が子どもの感想をコントロールしながら交流を進めることができます。
一方で,オンラインでは,多様な感想を,子ども自身で読んでいかなければなりません。子どもにとって,膨大な量の感想を読むことは,大変な負担です。
したがって,子どもが少しでも友達の感想を把握しやすいように,
なるほど,おもしろいと思った段落
をアンケート形式で集約することにしました。そして,以下のようにグラフ化して,子どものタブレット端末に送信しました。
グラフ化されていることで,自分と同じ段落に着目した友達の数,自分と違う段落に着目した友達の数を把握しやすくなります。そして,「○段落を選んだ友達の理由が知りたい」といったように,理由の記述を見るときの見通しをもつことができます。
さらに,以下のようにして,理由の記述もタブレット端末に送信します。
このようにして,初めの感想の交流をオンラインで行います。
その後,気づいたことをノートに記述させ共有を図ります。
ここでは,ロイロノートというアプリの提出機能を活用します。子どもは,クラウド上の「提出箱」に,自分が記述したノートの写真を保存します。教師が「共有」ボタンをタップすると,子ども同士でお互いのノートの写真を見合うことができます。
上掲のように,子どもたちは,自分と友達の「初めの感想」を比較したり,全体の「初めの感想」の傾向を見たりして,説明文に対する追究の意欲を持つことができました。
以下の表は,オンラインの「初めの感想の交流」の成果と課題について,「教室での進め方」と比較する形で示したものです。
オンラインでは,学び方を子どもに委ねる部分が大きくなります。
そのことが,従来の教室での学習から見た,大きな違いの一つだと考えます。
この違いがメリットとして働きやすくなるように,
子どもが「やりたい!」「できそう」と思う課題
子どもが取り組みやすくなる指示や教材の提示
を,今まで以上に工夫していく必要性を感じています。
次回は,説明文「アップとルーズで伝える」の「分析的な読みを促す学習場面」について,オンライン学習支援の具体をご紹介します。
↓ご意見・ご感想をお待ちしています。
nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp