プロジェクト F スペシャル ~ 対面の研究会でつくる 教科を通した「つながり」

2022.09.26 イベント

 

附属新潟小学校
今年度の研究について

研究主任にインタビューしました

 附属新潟小学校の「変える力」研究は今年で3年次。今年度の「秋」の研究会は,3年ぶりの対面開催。

「秋」の研究会を間近に控えた今,梅津 祐介研究主任が,「研究会」「変える力」について語る。

 


 3年次だからこそ,見えてきたもの。


 - 初等研Autumnの見どころや注目のポイントは何ですか。

   

3年ぶりの対面での研究会で,「変える力」という研究主題も3年目となりました。

  

何かを「変える」時には,ものの見方というか,物事の認識を捉え直していかないと,何かを変えるというところにはいかないと思っています。授業も同じです。各教科の授業で,子供が物事の認識を捉え直そうとする姿が見られると思いますので, そこをぜひ見てほしいですね。

  

  

― 各教科で「変える力」を発揮している姿を見てほしいということですね。

そうですね。今回の研究会では,授業を3本参観できます。各教科によって,どのように「変える力」を発揮しているのか,見比べてみても面白いかもしれません。

  

-「変える力」を分かりやすくいうと何ですか。-

定義としては,「他者との対話を通して,知を更新する力」です。

  

「知」が何かというと,「概念」と捉えてもらってもいいですし,「知識」と捉えてもらってもいいかなと思っています。

  

 


 子供が,意味を新たにつくり上げる「対話」。


-そういった「変える力」を発揮した3年目の姿を見てほしいということですね。ちなみに,2年目の研究との違いは何ですか。-

   

ずっと対話は大事にしてきました。話合いって,どの授業でも,学校の先生方は大事にしていると思います。話合いといわれたときに,議論も討論も対話も全て,話合いです。

  

議論と討論と対話は何が違うのかといわれたときに,対話は,Aという考えをもっている人とBという考えをもっている人が,話し合うことでCが生まれる

どちらの考えも変わることが前提で話し合いをするのが対話だと思っています。

  

今年度は,対話のイメージをつくり上げ,職員間でも共有してきました。昨年度よりも,対話の様相のイメージを具体化してきているところが2年目との違いであり,3年目ならではかなと思います。

具体的に言えば,「探索的対話」という言葉をこれまでも大事にはしてきましたけど,「探索的対話」ってどんなものなのかということを,昨年度よりも具体的に描いてきました。

  

 

-対話ということですが,いろいろ学校で,対話スキルという形で形式のようなものが重要視されているところがあるような感じがするのですが,附属新潟小学校でいう,探索的対話との違いは何でしょうか。型にはめるのとは違うんですよね。-

そうですね,意味を新たにつくっていく対話をイメージしています。何か意味を作っていく時は,子供たちの語り口が,たどたどしくもなるし,躊躇することもあります。型通りの語り口は出てきません。むしろ,たどたどしかったり,躊躇したりするようなものこそ,子供が何か意味をつくり上げようとしている姿だと捉えています。

 

型は最低限必要なのかもしれませんが,授業が進んで子供が物事を新たにしていくときには,たどたどしい姿が出てくると思います。だから,形式的な語り口では解決できないような問題を提示したり,課題を設定したりしていくことが附属新潟小学校の授業の特色かなと思っています。

 

 

 


「対面」だからできる,教科を通した「つながり」。


-3年ぶりの対面での研究会はどのような研究会にしていきたいですか。-

  

過去2年,オンラインの研究会でした。オンラインだと,どうしても一部の子供の姿しか見えない状況でした。一部の子供の姿から授業を解釈することも十分できると思うのですが,実際に見てもらうことで他の子供がどういう反応しているのかどういう思考をしているのかなど,発言だけでなく,表情も見てもらえると思います。

 

その場の雰囲気を含め,授業全体を通して,見ていただいて解釈してもらえるところが今年度の対面の魅力ですね。

  

 

 

-オンラインのときは,全国各地からご参会いただきましたが,今回の対面は新潟県内限定で,これまでとは違ったコンセプトですよね。-

  

感染状況を考えると,全国の先生方に対面の研究会に参加いただくことは今回は難しかったです。県内限定にすることのメリットは,教科を通したつながりが県内の先生方とつくれることだと思っています。授業を参観していただくだけではなくて,協議会を通して,つながりをつくって,今回の研究会をきっかけに,お互いの授業観だったり,子供観だったりを交流し合うことができると思っています。

 

  

-最後に,参加してくださるみなさまに一言お願いします。-

3年ぶりの対面開催になります。生で参観することでしか感じることのできない,子供の姿があると思います。ぜひ,附属新潟小学校の子供の姿を見ていただいて,私たちの提案する授業を評価していただきたいなと思いますし,みなさんとのつながりを強くしていきたいです。また,新潟県の教育に貢献できる研究会にしていきたいと思っています。ぜひ,見に来ていただきたいです。

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