個人研究
国語科:
中野 裕己
国語科の中野裕己(なかの ゆうき)です。
今年度は、研究主任として学校全体の研究を提案していきます。
また、担任する学級は5年生です。そして、4年生の国語科も担当します。
もちろん、4年生と5年生を中心に、国語科の実践も提案していきます。
<研究の概要>
◎物語文の全体像を想像する子供の育成
<研究のキーワード>
語り手、読みの観点、情報活用能力、個別最適な学び、協働的な学び、シンキングツール、Google、ロイロノート、デジタル教科書、対話、学習履歴(スタディ・ログ)、生成AI…
<著書>
・単著:授業はタイミングが9割
・単著:教科の学びを進化させる 小学校国語授業アップデート
・単著:子供が学びを創り出す 対話型国語授業のつくりかた
・共同編著:学びの質を高める!ICTで変える国語授業3
・共著:小学2年 学級経営ぺディア
・共著:教材研究×国語 定番教材の外せないポイントがわかる超実践ガイド
・共著:小学校・中学校国語科 ICT×書くこと指導コンプリートガイド
<そのほか>
・新しい国語実践研究会 会長
・教員サークル「国語授業"熱"の会」代表
・新潟DX教育研究会 代表
・新潟発授業研究会「N-waku」共同代表
・Google Educator Group Niigata city リーダー
・全国国語授業研究会 監事
・授業改善コミュニティ「授業てらす」ブロ講師
・ロイロ認定ティーチャー
ご依頼,ご質問,ご意見は,以下のメールアドレスにお寄せください。
ぜひぜひ一緒に楽しい学びを創りましょう!
子供が物語世界を探究する−初等教育研究会Autumn−
2021.10.14初等教育研究会Autumnが近づいてきました。そこで,研究会で公開する授業の概要について,お伝えします!
初等教育研究会Autumnでは,
「子供が物語世界を探究する」授業
を提案します
授業のポイント① 子供の生活経験に基づく知識・経験
授業のポイント② 物語世界を描き出す文章(言葉)
「子供の知識・経験」と「物語世界を描き出す文章」が衝突し,調和(理解)へと進んでいく過程で,探究的に学ぶ姿が表れてきます。
具体的な手立て(教師の働き掛け)
このような2つの手立て(教師の働き掛け)を中核として,授業を進めていきます。
探究を支えるのは,他者との対話
「探究」的に学ぶ過程は,混乱・不安・疑問を伴います。そのとき大切なのが,共に学ぶ他者の存在です。自分と異なる見方を取り入れたり,他者に考えを伝えたりすることで,考えを再構成することができます。
探究的な学びで得た気付きを蓄積するICT
このような「探究」的な学びで得た気付きは,単元を通したICTの活用によって蓄積していきます。
10/27(水)授業動画配信 11/3(水)オンライン協議会
研究会の授業動画では,「ちいちゃんのかげおくり」を教材として,子供の姿を通して提案します!
↓お申し込みは以下のリンクから↓
日々の国語授業お伝えします①
2021.05.21今年度1回目の投稿です。
今年度は,なるべく頻度を増やして,日々の国語授業をお伝えしたいと思っています。
1回目は,「話すこと・聞くこと」領域の授業です!
今回の単元の学びは,日常の発表指導,聞き方指導と接続し,螺旋的・反復的に指導を継続していきます。
ご覧いただき,ありがとうございました!
次回は,「読むこと」領域のワンポイント指導について,お伝えします(^ ^)
ご意見・ご質問はこちら
nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp
「物語世界に参加する」授業の仕組みを紹介します!
2020.12.22実践編
働き掛け1
あなたが登場人物だったら・・・?
働き掛け2
叙述をもとにした,自分と登場人物の比較
働き掛け3
対話を通して,登場人物の心情の変化を想像する
働き掛け4
自分の考えを再構成する
これから,初等教育研究会の授業についても,個人研究ページで発信していきます。
授業のポイントは・・・
物語世界に参加する授業
with
「 対 話 」&「 I C T 」
たくさんの先生方より,ご批正いただきたいと思います。
ぜひぜひお申し込みください!
GATA-KEN16 指導案公開!
2020.10.26GATA-KEN16では,私が研究している「物語世界に参加する授業」の授業動画を公開いたします。
「物語世界に参加する授業」の概要を以下に示します!
授業動画では,「白いぼうし」を教材として,物語世界に参加する授業の具体を提案します。
多くの方々にご参観いただき,ご意見をいただきたいと思います!
よろしくお願いします。
国語 × ICT 授業におけるICT活用のススメ
2020.08.06オンライン授業の需要が高まったこともあり,現在教育のICT化が急速に進んでいます。
附属新潟小学校では,数年前から1人1台のタブレット端末を活用した授業実践に取り組んでいます。
今回は,私の専門教科である国語科において,ICTを取り入れた授業実践をご紹介します。
「夏の楽しみ」という4年生の単元です。
ここでは,夏を表す言葉の語彙を増すこと,言葉の響きやリズムに親しむことをねらいます。
ICTを活用しない授業では・・・
①〜④のように学習を進めることが一般的であると考えます。
授業を構想し子供の姿を想定する中で・・・
上掲のような子供の姿が生まれるのではと感じ,これらを改善したいと考えました。
そこで!子供たち一人一人のタブレット端末にダウンロードされている,学習支援アプリ「ロイロノート・スクール」を活用して授業を行うこととしました。
ロイロノート・スクールでは・・・
上掲のような機能を子供に活用させることができます。
ここでは,子供から「夏を感じる言葉」を入力したものを集め,集まった言葉を合わせて子供たち一人一人に配信しました。さらに,あらかじめ教師側の端末で作成しておいた俳句づくりの枠を配信しました。
そして,ロイロノート を活用した俳句の作り方を動画で説明しました。この動画は,教師側の端末で操作している画面を,「画面録画機能」で撮影したものです。
さらに,いくつか俳句を作成した子供たちに,次の動画を見せました。
「言葉の順序を入れ替える」という推敲を促す動画です。動画をみた子供たちは,
「順番が変わると全然違う」
と述べ,作成した俳句の推敲に取り掛かりました。
消しゴムや鉛筆を使う必要がなく,簡単な操作で言葉の入れ替えができるのは,このロイロノート ・スクールのよさと言えます。
作った俳句は,ロイロノート・スクールの機能で,「提出」します。
提出されたデータは,以下のように一覧で,子供それぞれの端末で見ることができます。
つまり,全ての友達の俳句を好きなだけ見ることが可能です。
授業の終末で,子供たちは次のように振り返りを記述しました。
今回ご紹介した実践のように,ICTを活用することによって,子供たちの学び方を改善することができます。
授業にICTを活用することで,最も大切なことは,
ICTを使うことが目的化しないこと
だと考えています。
ICTを使っても使わなくても,子供たちの学びに大きな影響がないのであれば,従来通りICTを使わない授業を行うべきだと考えます。
使う必要がないからです。(もちろん「トレーニング」として,ICTを使うことを目的化した時間も必要と考えます)
まず,従来通り,ICTを使わない授業をきちんと構想する,
そして,よりよい授業に改善するために,ICTの特性を生かすことができるのか,検討する。
このようなステップを踏んで,
ICTを「使っているだけ」
ではなく,
ICTの「教科の本質に迫る活用」
を目指していきたいと考えます。
ご感想はこちら→(nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp)
国語の授業,ICTの活用について,語りませんか?
宿題で,物語のメッセージをまとめる
2020.06.06前回までの更新記事(第4学年 物語教材「一つの花」)
①物語教材「一つの花」教材分析の視点
②「一つの花」実践編 「比較」と「対話」で発揮する想像力(2次−1)
③「一つの花」実践編 「比較」と「対話」で発揮する想像力(2次−2)
それでは,単元の終末となる3次の学習場面をご紹介します。
3次は,いわゆる活用の学習場面です。単元を通して学習してきた「一つの花」という物語について,自分の感想をまとめるのです。
したがって,「一人で物語と向き合う」学習になります。このような学習は,教室ではなくても可能です。
そこで,ワークシートと学び方プリントを配付して,宿題としました。
「読書郵便」は,相手を設定した活動です。
自分の感想を届ける相手がいるということで,子どもたちは意欲をもってきちんと取り組むことができます。
相手に読書郵便を届けた後,簡単な返事をもらえると,よりよい活動となります。
度重なる休校により時数が気になる現在,「家庭学習を活用したい」という先生方は多いのではないでしょうか?
一方で,「家庭できちんと取り組めるのか」不安に思っている先生方も多いことと思います。
もちろん,取組が乱雑になってしまったり,提出できなかったりする子どもは一定数いるでしょう。
「だから,ドリルや漢字練習など単純な宿題しか出さない」
私もそうでした。
しかし,いつ,また家庭学習を中心にせざるを得ない状況になるか分かりません。
自分で自分の学びをコントロールする力(自己調整力)を育てる必要があるのです。
創意工夫が必要な宿題を出して,子どもの取り組みを認め,自己調整力を育てていきたいと思います。
もちろん,すぐに育つものではありませんので,ゆったりとした気持ちで子どもの取組を受け止め,成長をフィードバックしていくことを大切にしていきたいです。
ご意見・ご感想をお待ちしております!国語について語り合いましょう!
nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac,jp
ワークシート等はこちら↓ 自由にカスタマイズしてお使いください!
「比較」と「対話」で発揮する想像力2
2020.06.05前回までの更新記事(第4学年 物語教材「一つの花」)
①物語教材「一つの花」教材分析の視点
②「一つの花」実践編 「比較」と「対話」で発揮する想像力(2次−1)
今回のご紹介する授業は,以下の教材分析を直接的に受けた,資質・能力を育成する核となる授業です。
2次 学習場面②「10年後のゆみ子の気持ちを想像する」
前回ご紹介した学習場面①と同様に,資質・能力を育成するためには子ども同士の関わりが必要であると判断したため,全体の対話活動を取り入れて授業を進めました。
今回,次のようにして単元を構想しました。
① 教材分析
② ターゲットとする資質・能力の設定
③資質・能力を育成する核となる授業の構想(今回ご紹介した授業)
④ 単元全体の構想
物語教材の単元を構想するときに,まず「単元のゴール」を設定することを大切にされている方は多いと思います。
学習に必要感をもたせるために,「単元のゴール」を設定することは大切です。
しかし,指導する教師の方が「単元のゴール」に気を取られすぎると,「この単元でどのような資質・能力を育成するか」という意識が薄れてしまうことがあります。
単元のゴールベイスではなく,資質・能力ベイスで授業や単元を構想することが,大切なのではないでしょうか?
次回の更新では,3次「物語のメッセージを解釈する」学習場面(宿題)をご紹介します。
ご意見・ご感想をお待ちしております!一緒に国語について語り合いましょう!
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「比較」と「対話」で発揮する想像力
2020.06.01前回更新した記事「物語教材の教材分析の視点」の実践編です。
(前回更新した記事は,以下のリンクからご覧ください)
4年生「一つの花」を教材分析して,次のように単元を構成しました。
標準時数7時間を4時間に短縮してしいますが,この単元構成は,
時数削減のみを目的としたものではありません。
物語教材「一つの花」で,どのような資質・能力を育成するかを明確にし,学習内容を精選することが,重要です。
それでは,ターゲットとした資質・能力を育成する2次の学習場面①をご紹介します。
2次 学習場面①「父や母のゆみ子に対する気持ちを想像する」
このように,資質・能力を育成するためには,子ども同士の関わりが必要であると判断したため,全体の対話活動を取り入れて授業を進めました。
現在,時数の制限,身体的距離の制限などによって,教室の学びを進めづらい状況にあります。しかし,教科書の内容をどんどん進める,講義型の授業で良いのでしょうか?私はそうは思いません。
育成すべき資質・能力に合わせた学習内容の精選
単元の中で「関わりの中で進めるべき内容」を見定める
この2つの視点によって,教室の学びを前に進めていきたいと考えています。
制限の中で見えてくることは,ネガティヴなことだけではないはずです。
次回の更新では,2次の学習場面②「結末部(10年後)のゆみ子の気持ちを想像する」をご紹介します。
ご意見・ご感想をお待ちしております!国語について語り合いましょう!
nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp
物語教材の 教材分析の視点
2020.05.31全国の多くの自治体で学校が再開され,教室に子どもの声が戻ってきました。
つまり,教室の学びが戻ってきたのです。
しかし,いつも通りに単元を計画し授業を進めていくことは,難しいと言わざるを得ません。
そこで,学習内容を精選し,ターゲットとする資質・能力を明確にするための教材分析の在り方について,提案します。
教材分析の視点
4年生「一つの花」では・・・
単元の構成
このように,教材を分析した上で学習内容を精選し単元を構成することが重要だと考えます。
私たち教師が目指すことは,教科書を終わらせることではなく,教科書(教材)で資質・能力を育むことです。
今後,「単元の核」の部分を中心に,授業の実際をアップしていきます。ぜひご覧いただき,休校明けの指導の参考にしていただけたらと思っています。
ご意見・ご感想,お待ちしています。
nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp
オンライン学習支援③ 〜「春」の単元〜
2020.05.08国語科には,どの教科書においても,季節に関わる単元が設定されています。
当校が使用している光村図書(4年上)では,4月の後半に「春の楽しみ」という単元があります。
しかし,当校は4月の中旬から臨時休校となったため,教室の授業で実施することができませんでした。
せっかくの季節感溢れる単元を,その季節が終わってから学ぶのは,もったいない・・・
そこで,オンラインで「春の楽しみ」という単元の学習を行いました。
今回も,双方向的なやり取りを複数サイクル行って,オンライン学習を進めます。
まず,春に関わる言葉を繋げながら集めました。
次に,言葉と言葉のつながりを意識しながら,自分の問いを設定しました。
そして,自分の問いについてインターネットで調べ,レポートにまとめました。
学習のゴールとして,ZOOMを使った交流を行いました。友達が調べたことからたくさんの気づきを得た子どもたち,感想を生き生きと交流しました。
子どもの学びは,環境に大きく左右されます。
今回の「春の楽しみ」の単元は,春に行うからこそ,生き生きとした言葉の力を生むのです。
また,環境は時期だけを指す言葉ではありません。
家で過ごす時間が長い
という,例年と比べて春を感じにくい環境に置かれている子どもたちが,
今回の学習を通して春を感じてくれれば,喜ばしいことです。